25年間使い続けた宝物
私がこのポーチを作ろうと思った理由の物語です。
大学時代のこと。
初めての海外旅行はカナダでした。
カナダドルを入れる財布を持っていなかったので、現地のコンビニで小さなコインケースを買いました。
コンパクトで引っ掛かりもなく、ポケットに入れておけるし、とても便利に使えました。
四角い形や柄も可愛い。
必要に迫られて、慌てて買ったものですが、とても気に入りました。
その後、海外旅行の際には、必ず持って行ったものです。
やがて結婚し、子供ができてからは海外旅行にはぱったりと行けなくなりました。
コインケースの出番も少なくなりました。
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子育てでバタバタと忙しい毎日を過ごし、あっという間に月日は流れました。
長男が小学生になり、おつかいデビューする日がやってきました。
お財布を渡さなければなりません。
そんな時に、あのコインケースがちょうどいいことを思い出し、持たせました。
スーパーはすぐ近所にあるので、窓からそっと見守っていたのを思い出します。
ドキドキしながら。
数年後、長女のおつかいデビューの日がやってきて、同じ思いで見守りました。
同じコインケースを持たせて。
そしてまた数年後には、次女にも。
そのコインケースには私の思いがいっぱい詰まっています。
子供達にはその後も何度もお使いに行ってもらいました。
その度に同じコインケースを持たせて。
生地は少々くたびれてきたものの、何年も使えて、その丈夫さに驚きでした。
ところが25年経ったある日、バネの調子がとうとう悪くなってしまったのです。
かなりショックでした…。
同じ形のものを買いたいと探しましたが、デザイン的に気に入るものが見つからず。
これは自分で作るしかない。
それほど気に入っていたということが、25年の歳月を経て知ったのでした。